相続手続きを依頼する、専門家を選ぶポイントとは?

ご家族が亡くなり相続が開始したとき、遺産分割協議をはじめ、預貯金の払い戻し、相続登記、相続税申告など、さまざまな相続手続きを行わなければなりません。
しかし、どこから手をつけてよいか困惑し、ご自身だけで対応するのが難しい場合が多いのではないでしょうか。
負担を軽減するために、専門家にご相談されることをおすすめします。相続手続きの専門家には、弁護士、税理士、司法書士などの士業が存在します。
では、相続手続きを相談する際の専門家を選ぶポイントを解説します。

1.こんなときには、相続手続きの代行を依頼

相続手続きの代行を依頼したほうがよい、4つのケースをご紹介します。

(1)他の相続人と顔を合わせたくない

遺産の分け方などで相続人同士で揉めている場合には、当事者同士での話し合いができません。
また、相続人と不仲な関係で、連絡も取りたくないという場合も、対応が難しくなります。
このようなケースでは、専門家が間に入ることで、相続手続きを進めやすくなります。

(2)会社勤めで、平日の日中は動けない

相続の手続きには、市町村役場で戸籍謄本や住民票を取得したり、金融機関での預貯金の払い戻し、法務局での相続登記、税務署での相続税の申告などが必要になります。
しかし、これらの機関は基本的に平日の日中しか窓口が開いていないので、土日や祝日にやろうと思っても、手続きを進められません。
そのため、会社勤めの方は、相続手続きのために時間を割くことはなかなか難しくなります。
このような場合、専門家に依頼することで、各種手続きを代行してもらうことができます。

(3)専門知識がないと、対応が難しい

生前に、被相続人から多額の贈与を受けていた相続人がいる場合は、特別受益が問題になります。
また、被相続人の介護などで貢献をした相続人がいれば、寄与分を考慮しなければなりません。
さらに、相続財産の総額が相続税の基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要になり、遺産に不動産がある場合には、相続登記をする必要があります。
このように相続の内容が複雑になると、法律や税金、登記など専門的な知識がないと対応が難しいでしょう。この場合には、専門家にご依頼ください。

(4)相続手続きは初めてなので不安

相続手続きを行う際に「何から手をつけていいかわからない」「どのように手続きを進めればよいのかわからない」と不安に感じる方も多いと思います。
ご自身で相続手続きを進めるのが不安な方は、専門家に相談されることをおすすめします。

2.必要性にあわせて、相続の専門家を選ぶ

相続手続きに関して、弁護士や司法書士などの各専門家がとれる対応や、どのような場合にどの専門家に依頼したらよいのかをご紹介します。

(1)弁護士

できる業務

・相続に関する争いの解決
・遺産分割協議書の作成
・相続放棄の代理
・遺言書の作成
・金融機関での手続き
・遺産分割調停、審判の代理

できない業務

・相続税の申告(税理士登録または通知が必要)

依頼した方がよい場合

・相続手続き全般について不安がある場合
・相続に関して争いがある場合

弁護士は、ほぼすべての相続手続きに対応が可能

弁護士であれば、遺言書の作成から、相続開始後の相続人調査・相続財産調査・遺産分割協議・遺産分割協議書の作成・遺産分割成立後の相続手続きまで、さまざまな業務に対応することができます。
書類の作成だけではなく、相手方との交渉や相続放棄の家庭裁判所への申述、遺産分割調停・審判など裁判手続きにおいて代理人として対応することも、弁護士であれば可能になります。
とくに、相続争いが紛糾している場合は、弁護士以外の専門家では対応することができません。
弁護士であれば複雑な法律関係を整理し、遺産分割調停や審判を申し立てることで解決を図ることができます。

(2)司法書士

できる業務

・相続登記
・遺産分割協議書の作成
・相続放棄の申述書の作成
・遺言書の作成
・遺産分割調停、審判での提出書類の作成
・金融機関での手続き

できない業務

・相続に関する争いの解決
・相続放棄の手続きの代理
・遺産分割調停、審判の代理
・相続税の申告

依頼した方がよい場合

・不動産の相続登記をする場合
・遺産分割について、相続人同士の争いがない場合

司法書士には、不動産の相続登記を依頼

司法書士は、不動産などの登記の専門家なので、相続財産に不動産が含まれる場合には、相続登記を司法書士に依頼する必要があります。
また、相続人同士での争いがなければ、司法書士でも遺産分割協議書の作成や、その後の相続手続きを行うことができます。

(3)行政書士

できる業務

・遺産分割協議書の作成
・遺言書の作成
・金融機関での手続き

できない業務

・相続に関する争いの解決
・遺産分割調停、審判
・相続税の申告
・相続登記
・相続放棄

依頼した方がよい場合

・書類の作成のみを依頼したいという場合

行政書士は、相続手続きの書類を作成

行政書士は、官公署に提出する書類などを作成する専門家で、相続手続きでは、遺産分割協議書の作成や遺言書の作成などを行うことができます。
相続で争いがある事案については扱うことはできませんが、他の専門家に比べると、リーズナブルな費用で依頼することができます。
ある程度、自分で相続手続きを進めることができる方や、相続人同士の争いがなく、遺産分割協議書の作成だけ依頼したい方に適しています。

(4)税理士

できる業務

・相続税の申告
・税務相談
・金融機関での手続き

できない業務

・相続に関する争いの解決
・遺産分割調停、審判
・相続登記
・相続放棄

依頼した方がよい場合

・相続税の申告が必要な場合
・生前に相続税対策をしたい場合

税理士には、相続税の申告や相続税対策を依頼

税理士は、税に関する専門家で、相続税の申告業務を行います。
相続税の基礎控除は「3000万円+(600万円×相続人の数)」で、基礎控除を上回る相続財産がある場合は、相続税の申告が必要になります。
相続税の申告が必要な方は、税理士に依頼されることをおすすめいたします。
また、生前に相続税対策を行いたいという場合も、有効な節税対策についてご相談ください。

(5)銀行・信託銀行

できる業務

・相続財産の運用
・相続手続きの専門家を紹介

できない業務

・相続手続き全般

依頼した方がよい場合

・相続財産の運用を相談したい場合
・専門家を自分では見つけられない場合

銀行・信託銀行には、相続財産の運用を相談

銀行や信託銀行のなかには、相続手続きのサポートを行っているところもありますが、銀行員が手続きの代行をするわけではなく、弁護士・司法書士・税理士など外部の専門家に依頼して行っています。
懇意にしている銀行や信託銀行がない限り、できればご自身で信頼できる専門家を探すことをおすすめいたします。

3.専門家を選ぶときの要注意ポイント

相続手続きについて相談や依頼をする専門家を選ぶ際には、どんな点に注意すべきかを解説します。

(1)相続問題に豊富な経験と実績があるか

相続問題は、その事案ごとに必要な対応が大きく異なります。さまざまな相続問題に対応してきた豊富な実績のある専門家であるほど、これまでの経験で培ったノウハウを駆使して、より適切な解決へ導くことができます。

松本・永野法律事務所の年間相談件数は230件以上(2021年〜2022年実績)です。
経験豊富な弁護士が丁寧にアドバイスし、高い評価を得ていますので、安心してご相談ください。
当事務所の解決事例お客様の声についてもご覧ください。

(2)他の士業との連携が可能かどうか

弁護士であれば、相続に関する手続きのほとんどを扱うことができますが、相続登記や相続税申告は専門外の分野になり、税理士や司法書士にこれらの手続きを依頼する必要があります。
しかし、それぞれの専門家に依頼するたびに、はじめから事情を説明しなければならないのは、相続人にとって大きな負担となります。
他士業との連携がある専門家であれば、窓口となって各専門家にアクセスすることができます。
専門家を選ぶ際には、この他士業との連携があるかどうかが重要になります。

松本・永野法律事務所にご依頼いただければ、税理士や司法書士と連携して、相続に関わるすべての手続きに対応することができます。
また、当事務所では、相続人間で遺産分割に争いがないことを前提に、相続財産の調査、相続関係図の作成、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更、遺産分割にかかる名義変更など、面倒な手続きを一括でお引き受けする相続手続丸ごとおまかせサービスがございます。
経験豊富な司法書士も在籍しており、不動産の名義変更(相続登記)についても事務所を変えることなくワンストップで対応できます。詳しくはこちらをご覧ください。

(3)料金が明朗で、明確な見積りを出してくれるか

専門家に相続手続きを依頼する際は、費用の問題が不安になるかと思います。
費用の相場がわからないので、「高額な費用を請求されるのではないか」と心配されるでしょう。
そのため、相続手続きを依頼した場合に、料金がはっきりとわかるかどうかも、専門家を選ぶ際の重要なポイントです。
「ホームページ上に料金が記載されているか」「初回の相談時に明確な見積りを出してくれるか」といった点から判断することができます。

松本・永野法律事務所の弁護士費用についてはこちらをご覧ください。
遺産相続や遺言書作成に関するご相談は、初回無料にて承っております。

また、当事務所では安心して遺産分割手続きをご依頼いただけるように、遺産分割定額着手金システムを採用しています。相続人の数に応じて計算し、着手金費用を定額にしていますので、予想外の負担が増えることがなく、利用しやすい料金設定となっています。詳しくはこちらの紹介動画をご覧ください。

4.まとめ

相続手続きをご自身だけで行うことに不安がある場合には、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に依頼することで、負担を軽減することができます。
ご自身のニーズに合わせて、それぞれの専門家を選ぶことが重要になります。

松本・永野法律事務所には、相続問題の解決に豊富な実績のある弁護士が多数在籍しております。
争いごとを数多く解決している弁護士だからこそ、これまでの経験から争いになる前にそれを予測し、未然に解決策を講じておくこともできます。
また、税理士・司法書士と連携して、相続に関するすべての手続きに対応することが可能です。
争いが生じやすい相続問題から、お客様の利益を最大限守るために、全力でサポートいたします。
相続に関するお困り事がありましたら、まずはお気軽に当事務所までご相談ください。